LettersToInter | Ten years after Madrid: Milito's words to Inter fans

インテルへの手紙 - ディエゴ・ミリート

 マドリッドの魔法のような1夜から10年後、エル・プリンシペがネラッズーリファンにしたためたメッセージ

 「パパ、なぜこんなに後ろに立っているの?どの写真にもほとんど写っていないよ」

 

 息子のレアンドロはいつも私にこう聞いてくる。バイエルン・ミュンヘン相手に2ゴールを決めたあの時、彼はまだ3歳だった:私は彼を肩車して階段を降りて行った。トロフィーと栄光に向かって。ステージ上は大騒ぎで、私は後ろの隅に立った。私は誰かの背後で半分隠れていて、プピがチャンピオンズリーグのトロフィーを掲げた時、私の頭に回されたレアンドロの手が私の目をほとんど隠していた。彼はこの時、最もいい席にいたと言える。そのレアンドロも今では12歳になった。利き足は左足で、ラシンでフォワードとしてプレーしている。そして熱心なインテル・ファンだ。

Javier Zanetti solleva la Champions League al Bernabeu di Madrid il 22 maggio 2010

 

 きっと君たちは、私がマドリードで試合前夜に何をしていたか知りたいんだろう?私が少しでも眠れたかどうか、決勝の夢を見たかどうか。でもベルナベウの前に、キルメス、ブエノスアイレスの南に位置する私の出身地ビエホ・ブエノの話から始めなければならない。私はレアンドロのように、常にボールと共に成長した。私はサッカーに情熱を傾けていたが、それは従兄のパブロのおかげだ。彼は私が6歳の時から一緒に連れて行ってくれた。私はいつも彼と同じ道を進み、9歳の時にラシン・デ・アベジャネーダのチームに入った。ラシンと私の弟のチームであるインデペンディエンテの試合はいつも激しいものになった。

 家族が飽くことなく常に素晴らしいサポートをしてくれたおかげで、私はサッカーに集中することができた。その代わりに家族が要求したことはこれだけだ:学校をやめないこと。実際に私はその約束を守り、会計士になるために大学にも2年目まで通った。学校から直接車でトレーニングに向かい、その間にサンドイッチを食べていたことを覚えている;そして反対に朝にトレーニングをして授業を午後に変更しなければならない時も同じだった。

 

 アルゼンチンのサッカーはどんなものか?きっと君たちの想像する通りだ:大きなプレッシャー、巨大な競争意識、それは子どもの試合でも変わらない。私たちは何もないところからやって来て、何を犠牲にしても勝ちたいと思う。

 

 そして私がいつも応援してきたラシンは、2001年にアペルトゥーラで1位になるまでリーグで35年も優勝できていなかった。どのように説明したらいいだろう?私は常にこのクラブとファンの苦しみを感じていたし、私は1cmたりとも諦めることはなかった。私にとってこの結果は信じ難いものだった。

 私はラシンでもセンターフォワードとしてプレーしていて、このクラブで自分の能力をどのように伸ばすことができるか学んだ:いつも試合を愛していたし、バイタルエリアに自ら切り込んでいくことを楽しんでいた。そしてこのクオリティーが私にヨーロッパでの偉大な旅の始まり、ジェノアへと導いた:私は24歳で初めて親元を離れ、後に妻となるガールフレンドと一緒にイタリアに飛んだ。彼女は21歳で、私と共にイタリアへ行くために全てを後にした。彼女の情熱は何事にも揺らぐことはない。私たちはマラッシに行き、弟と共にサラゴサに移り、再びジェノアに戻って、その後インテルに行き着いた。

 かつてU20アルゼンチン代表で弟のチームメイトだったカンビアッソがいたので、私はインテルですぐに順応できた。クチュは私のルームメイトになり、私たちは5年間でとてもたくさんの素晴らしい瞬間を共有した。彼は真面目で頭が良かった。私はラッキーなことにいつも彼より先に眠りに就くことができたよ!それにサネッティもいた。私はアルゼンチンで彼の兄のセルヒオと一緒にプレーしていたんだ。まるで家にいるように感じられた。それにはもちろん、サムエルがシェフを務めたバーベキューの習慣のおかげも大きいよ。チームメイトの皆が、私はいつも食べるだけだったと言っているのを知っているが、でも信じてほしい、時々はワルテルを手伝った。証明もできる:この写真を見てごらんよ!

 

Walter Samuel, Diego Milit, Ivan Cordoba e Javier Zanetti preparano l'asado ad Appiano Gentile dopo un allenamento

 

 私たちは頻繁にトレーニングの後もピネティーナに留まって、笑いながら食事をして共に良い夜の一時を過ごした。本当に親密なグループで、トレーニングでは全員ハードワークを厭わなかった。なぜなら、どのようなトレーニングをするかによって試合のプレーは影響される、というのが私たちのモットーだったからだ。このチームのキャラクターは信じられないほど素晴らしかった。それにモウリーニョは誰にとっても近しい存在だった。

 マドリードについて話すと約束したが、ベルナベウに行き着く前にまだ少し回り道をする必要がある。最初はキエフだ、スナイデルのゴールをもう一度見返さなくてはならないからね。このような瞬間をまるで映画を観ているかのように思い出すことができる:アウトオブプレーにしたくなかったので走って行ってボールに追いついたが、私たちのCKにならないことに気付いた。私にできるのはゴールキーパーに向かってできるだけ強くボールを蹴ることだけだと考えた。そうすれば何か起こるはずだと。私は蹴った後に地面に倒れ、再び立ち上がった時、スナイデルが狂ったように喜んでいるのが見えた:彼が得点したことに全く気付かなかった!

 

Wesley Sneijder e Diego Milito esultano dopo il gol dell'1-2 in Dinamo Kiev-Inter, Champions League 2009/2010

 

 その通り、あの時期に関して私にはとても多くのスペシャルな思い出がある。そして実際にカンプノウの時計をとてもよく覚えている:まるで塩でできているみたいだった。交代でピッチを退いた後にあの時計を見た。あと15分:終わりが来ないように思えたが、あの夜は全員が勇敢さを示した!それと同じように、2-2の引き分けで試合を終えてフィレンツェからミラノに帰る電車の中の悪い雰囲気も覚えている。でもプピはこの日も私たちを楽観的な気持ちにさせた。彼は正しかったし、あの素晴らしい夜の助けもあった・・・。私たちは、私の家でローマ対サンプドリア戦を見ながらピザを食べていた。どんな話か既に知っているだろう、でもこれはこの卓越したシーズンの最もスリリングな瞬間だ:ローマが先制し、私たちは悲しんだ。ピザが到着して妻が私に小さな娘のアウグスティナを抱かせた。するとパッツィーニが同点ゴールを決めた。この瞬間から私はアウグスティナを一瞬も離さず、そしてサンプドリアが勝利した!

 

 

 チャンピオンズリーグ制覇は私の夢だった。誰もが夢見るものだろう。ラシンファンが35年間待ち続けたように、インテルファンは45年間待ち続けた。試合前夜はいつもと変わらぬものだったが、私は落ち着き集中していたと断言できる。難しい試合になると分かってはいたが、私たちは自分達の力量対する自信と、確固たる意志を抱いていた。

 

 ワルテル・サムエルの部屋でマテ茶を飲む習慣もいつもと同じだった。その晩はリラックスためだけでなく、いくらかモチベーションを高める意味もあった。私たちアルゼンチン人は、フォークランド紛争における自国の英雄達を題材にした「ステイト・オブ・ウォー」を共に鑑賞し、くつろいだ。そして皆がベットへと向かった。

 

 ジュリオ が出したロングフィードが落ちてくるのを見て、デミチェリスとヘッドで競り合うためにジャンプした。彼は大きな選手だった。ここでも、心の中でその瞬間の1コマ1コマを思い起こすことができる。ウェズレイがパスを出す準備をしていた:彼なら常に私に出してくることは分かっていた。だから一直線に敵陣深く走り出した。ファーストタッチは悪くはなかった。バトシュトゥバーが右側から来るのが見えた。私の国ではアマゲと呼ばれるシュートフェイントをし、その次の瞬間にはセレブレーションのために走り出していた。

 

 

  2点目のゴールについては、まず2001年までフィルムを巻き戻す必要がある:2−0に終わったラシン対ラヌス、アペルトゥーラ最終節。9年間、そのプレーは私の頭を離れなかった。エル・チリンドロ・デ・アベラネダでのことで、私はDFと対峙し、ゴール上隅を狙っていたが、その代わりに右足で切り返した。右足のアウトサイドでシュートしたそのボールはクロスバーを叩き、チャトルクがリバウンドをクリアした。マドリッドでファン・ブイテンを破ったフェイクショットは、9年前の動きと全く同じものだ:体を開きファーに叩き込むために、適切な距離でボールをキープするのが当時より巧かっただけだ。その瞬間私は世界中のネラッズーリファンを抱きしめたい、と思った。

 

Diego Milito supera Van Buyten con una finta e segna il 2-0 nella finale di Champions League 2010 a Madrid contro il Bayern Monaco

 

 私は幸せだった、私たちが共に成し遂げたことを思い起こすと、今も幸せになる。このクラブ、私たちのインテルの歴史に、私たちが刻み込んだ記録。

 

Diego Milito, Esteban Cambiasso e Javier Zanetti festeggiano la vittoria della Champions League sul prato di San Siro

 

 今、君たちに言いたいことがある:私は一度も朝6時に満員のスタジアムを目にしたことはなかった。バルセロナから帰国すると、既に空港では素晴らしい歓待が待っていた。

 

 だがあの明け方のサン・シーロは、世界で最も素晴らしい場所だった:そこには私たち、インテリスタしか存在していなかった。私は圧倒された。あまりの幸福感に、圧倒されたんだ。

 

ディエゴ・ミリート


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Stagione 2009/2010, tutti i gol di Milito

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